思い出ばなし・和子の新婚生活・・・

 

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滋賀県の山奥で生まれ育った和子は、幼い頃にカリエスと言う難病を

患って、その制で都会に憧れたのでは無いと思うけど、やっぱり田舎で

山に行って木起こしの仕事をしたり~田畑で虫に刺されながら田植えや

稲刈りなどをするより都会に憧れて、せめて京都でも、京都がダメなら

彦根でも良いから街に出たいと言う願望を持ち続けて居ましたが、和子の

周りには幾ら都会に憧れても望み薄しでした。

 

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所が母の姉(和子のオバサン)は若くして3人の子供を残して夫婦で1~2年の

間に他界されて長男と次男は東京の父方のオバサンに預けられて洋服屋さんを

そんな有る日、東京から従兄妹が帰って来て従兄妹のお店のお客さんだった

夫との縁談を進められて、和子の長年の夢が叶い大都会へ・・・

お見合いで結婚した和子は夫が大好きで結婚したのではなく都会に憧れて・・・

横浜の狭い6畳一間の新婚生活も、愛する夫と結婚出来た喜びよりも

横浜で生活できる嬉しさに満たされて居ました。

又夫も三男坊で若くして実母を亡くし、実母の実家に預けられて苦労した人

だから・・・其れはそれは和子を愛すると言う甘い言葉よりもとにかく大事に

して貰って、申し分の無い夫です。

毎晩、晩酌は嗜む程度飲みますが、賭け事は一切遣らない、女遊びは

しない、煙草も吸わない、真面目の上に何かが付くほど真面目な人で会社の

帰りはしっかり定刻の時間に帰って来る。申し分の無い夫ですが、

会社勤めをしても、エリートコースを進むと言うには程遠く、小さな会社の

製造業で技術屋さんでした。

 

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和子には両親・兄姉と立派な家族が居ますが、年老いての末娘に生まれた和子は

小学校2年の秋に長男が結婚し、年老いた両親は「老後は義雄に世話に成るから・・・」と家計を兄嫁に譲り、幼い和子は学用品を買うお金も学校で上履きに

履く藁草履一足10円のお金も満足に貰えず、夫の様な継母苛めには程遠いかも

知れませんが、子供心に継母同然の苦しみをして来た和子には、横浜の狭い

6畳一間の新婚生活で夫と共に早朝から共稼ぎをする事など、全然苦にならず

楽しい新婚生活の出発でした。

【万歩計 歩数のびるが 距離のびず(シルバー川柳)】