《兄ちゃんは若しかしたらうつ病じゃ無いの?-2》
兄ちゃんは相変わらず、「腹が痛い~腹が痛い・・・」と年中言ってるし~
お医者さんに行っても「何処にも悪い所は無い」と言って余り身体に害の
無いようなお薬を貰って帰りに、以前は姉ちゃん(長女)のお宅に寄って
ストレスを解消して居た様ですが、最近は散々義理のお兄さんの悪口を言って
姉ちゃんの所には行きずらくなって、今度は君ちゃんの家に寄ってストレスを
解消して居た様です。当時君ちゃんの旦那さんは1年程前に前立腺癌で
亡くなり、息子夫婦と2世帯住宅に改造して母屋の方では君ちゃんが・・・
棟続きの隠居の方には息子夫婦が住んでて、君ちゃんも一人で気楽に生活をし
兄ちゃんが行っても気兼ねする事も無く、兄妹で親戚の悪口を言ったり
たずえ姉さんは「最近は家の金を持って親鸞会に行きよる」とか言って散々
悪口を言って・・・気分を晴らして家に帰る・・・
そんな日々を過ごし・・・ある日、隆から電話が有って・・・
隆 「かーこちゃん、あんなぁ~とうちゃんが死なったのよ~」
和子はびっくりして・・・
和子 「うそ~でしょう?何で死んじゃった?」
隆 「夕べなぁ~首吊って死んでらったん・・・」
和子に取って思い掛けない訃報でその時は横浜の自宅に居るから
実感が湧かず、夫に「兄ちゃんが死んじゃったんだって?」と・・・
早速、支度をして夫と田舎に帰りました。
和子達5人兄妹が生まれ育った実家も、兄貴夫婦も亡くなり兄貴の次女が
跡を継いで呉れて居ますが、兄貴が次女に養子縁組をする時に新しく
新居を建てて跡取り娘は新居の方へ・・・只思い出深い実家は廃居と成り
実家の前を通り新屋に行くと兄ちゃんは、座敷で白い布を掛けられて
静かに眠って居ました。
和子はたずえ姉さんの所にご挨拶に行くと大粒の涙が溢れだし・・・
言葉に成りませんでした。どの様な事情が有ろうとも、「腹が痛い・・・
腹が痛い・・・」と喚こうが、長年連れ添った夫婦なら、もう少し苦しむ
兄ちゃんが、自ずから死を選ぶまでに何とか出来なかっただろうか?
あの時、未だ若かった頃に肝硬変を患い、団地のお友達のご主人の様に
兄ちゃんも、自ら命を絶つような事だけはしないで欲しいと常に思って
居ましたが、数十年後にこの様な結果に成った事が・・・和子は
辛く、悲しい・・・小さい時から大好きだった兄ちゃん、
何で死んじゃうのよ~~~(涙・・・)