お舅さんは胃癌で東京の昭和医科大学で享年81歳でこの世を去りました。
夫と子供を連れて病院にお見舞いに行くと、やっぱりよし坊の事が気掛かりで
「和子さん、2人の子供を素直な良い子供に育てるんだよ~」と言い・・・
「よし坊の事を頼みます」と・・・
当時本家のお兄さんは東急電鉄に勤め、目蒲線の運転士をされて居て
お舅さんのお葬式には東急電鉄から立派な盛籠から花輪が届けられ、
各駅の助役さんが大勢見えて其れはそれは立派なお葬式でした。
千歳船橋の方から義母のご兄妹も見えてご挨拶をしましたが・・・
新潟の方からお舅さんのご兄妹や実母のご兄妹が見えて
「和子さん、暫くだったね?」ってお声を掛けて下さると元を正せば
他人様ですが、2度ばかり子供が小さい時にお邪魔してお世話に成ったので、
滋賀県の和子の身内に逢った様な錯覚を起こし・・・取っても嬉しかったです。
【ご無沙汰を 故人がつなぐ 葬儀場(シルバー川柳)】
お通夜から告別式を斎場を使わず、本家の自宅から滞りなく済ませ
棺の中にお花を手向け、お舅さんとのお別れをする時に身内は障害者の
よし坊を他人様に見せるのが恥ずかしいのか、奥のお部屋でしょんぼりしているよし坊を誰も呼んで遣ろうとはしない。
和子はお舅さんが「よし坊の事を頼みます」と・・・言った言葉を思い出し
夫に「よし坊を呼んで来て遣って~お父ちゃんの最後だから・・・」と
言うと・・・夫は「あ~そうだ、そうだ・・・」と言ってよし坊を呼んで来て
「お父ちゃんに『さようなら』と言ってこのお花を送ってやりな~」と
やっぱり親戚の方はよし坊の存在もご存じで・・・その光景に涙する方も・・・
「おとうちゃん、さようなら・・・ よし坊 -合唱-