和子のこぼれ話-112 〜石ヤン〜

平上係長はロイヤルに来て、「今日一日与えられた仕事をしっかり遣れば
良い」と考える人ではなく、如何にロイヤルを良い工場に出来るか?と言う
事を常に考えて居る人でした。又自分は定年を迎え嘱託でロイヤルに
来たのだから、しっかり後輩を育てなければいけないと・・・
ロイヤルOPEN以来籍を置く石渡君にワイシャツの仕上げやズボンの
仕上げ、全てを指導しょうと・・・残業を毎日して石ヤン(石渡君)に
教えるのですが、彼は殆ど眼が見えず、又杉崎工場長に可愛がられて
殆ど仕事もしないでお隣から社員の制服を持って来てドライ物と水洗と
分ける位しかしませんでした。平上係長も眼の見えないのは杉崎工場長からも
聞いて無いし・・・ワイシャツの仕上げを遣らせて初めて眼の見えない事を
知り、普段満足に仕事もしない事に怒りを覚え、かなりの剣幕で石ヤンを
怒り、「自分の出来る事は何でもする様に・・・」と
かなりの剣幕で怒られた石ヤンは其れから人が変わったかの様にドライ機を
廻したり、水洗機を廻してプレスが出来る様にして呉れたり・・・
良く頑張りました。