和子のこぼれ話-107 〜さみしい毎日〜

沼上さんとの友情に亀裂が入り、毎日和子は憂鬱な日々を送りましたが
決して和子にはやましい事は微塵も無いから、そのまま最後まで
ゲストの大変な日々を過ごした。若し和子と逆だったら素直に「ご免ね?」と
謝り、事は終わったと思うけど・・・流石に頑固な彼女は謝りもしないし
駅のホームで和子の姿を見ると反対側の階段から上がって来て電車に乗る。


お隣の受付に居る志村さんは歳も年輩だし、受付の仲間とも旨く溶け込めず
和子と沼上さんと疎遠成った事で、その日から「秋山さん・秋山さん・・」と
色々話し掛けて呉れて和子は慰められた。又工場長も「その内何とかして
遣るから頑張れよ〜」って慰めて呉れたけど・・・柴橋に入社して以来
大の仲良しだったので、彼女にソッポ向かれるのは正直辛かった。悲しかった
何度も電話をして話し合いたいとも思ったけど〜「言い訳など聞きたくない」
と言われそうで電話も出来ず、手紙を書いて和子の胸の内を判って貰いたい
何とか今まで通り仲良く成りたいと思ったか知れない。
でも〜絶対に拒絶されるだろうと思い、便箋に7枚位手紙を書いたけど
結局は出せなかった。


本社工場の先輩達から「中華街へ食事に行こう」と誘って呉れたり〜
桜の咲く頃は「お花見に行こう」と港の見える丘公園に連れて行って
貰ったけど〜「あんなに仲良しだったのに〜」ってみんなに不思議がられる
有様だった・・・