和子のこぼれ話-106 〜2人の友情に亀裂〜

一週間のエイズ会議で沢山のゲストが出て会社中がごった返すのは
僅か一週間ですが、和子は毎日々が地獄の様な日々でした。
沢山のお客様の洗濯物にミスが有ってはいけない。夕方の時間までに
しっかりと客室事務所に届けなくてはいけない。やっと届ければ
明日の朝、クレームが来るのでは???と心配が募る。其れはそれは
大変な一週間でした。和子が毎日々必死に頑張って居る姿を見て
きっと頑張り屋さんの沼上さんは和子に嫉妬したのか?


この大変な一週間の中程の有る朝、何時も彼女も洋光台の2丁目に住み
洋光台の駅で同じ電車に乗って通勤をする。その時、沼上さんは
「秋山さんは、内藤さんを突き飛ばし『邪魔だからどいて?』って
言ったでしょう?内藤さんが泣いてたわよ〜?」と???
正直、午後から沢山の洗濯物の纏めをする時にモタモタして居る内藤さんに
苛立ちを覚え(突き飛ばして遣りたい)心境には成ったけど、(彼女も
彼女なりに、一生懸命頑張って居るんだから・・・)と和子は怒りを堪え
必死に耐えたのに・・・沼上さんのこの言葉にカッと成って会社に着くなり
竹の内さんに「もうゲストを下ろして下さい」と胸の内を話した。
竹の内さんはビックリして内藤さんに「秋山さんに突き飛ばしたのか?」と
聞き正した所、内藤さんは「何もされて無いし・・・泣いた事も無い」と
沼上さんの(嫉妬から来た和子への嫌がらせ・・・)と証明されて
事は収まったけど・・・
だからと言って沼上さんは、和子に謝りもせず、その出来事を境に2人の
友情に亀裂が入り「物申さず・・・」頑固と和子を避けて通る