和子のこぼれ話-95〜責任者の苛め〜

仕上げに移動に成った和子は気分一新、新たな気持ちで仕上げで
頑張る事に・・・最初は皆さん、暖かく迎えて呉れて、社長直々から
ミシンでボタンの付け方や、諸々の事を教えて呉れた。
この仕上げは出来上って来たセーターのボタン付けやキズ点検、修理
紙を挟んで洋服をタタミ箱詰めに・・・勿論襟ネームを付けて、
この仕上げには難しい人も居るけど、折角社員に成れたんだし一生懸命
頑張る積りでした。仕事の合間には色々入った部品の引き出し
中を見ると決して綺麗に片付いては居ませんでした。和子はこの引き出しに
区切りを付けて個々に分けて使い易くしたり・・・


決してサボる事無く頑張りました。其れが災いしたのか?仕上げの責任者の
池田さんから、思いがけなく冷たくあしらわれ、工場長も冷たい眼で
見られる様に成りました。和子は池田さんに「私は私なりに頑張って居る
積りです」と反抗すると「積りでは仕事に成って無い」と怒鳴られ和子は
理解に苦しみました。やがて2階の事務所に呼ばれ、工場長と池田君と3人で
話し合いを・・・会社全体を見る工場長なら多少和子の事も考えて呉れるかと
思ったけど、すっかり池田さんに丸められて「解雇」とは言いませんが
工場の変なオジサンと池田さん・工場長と3人で結託して和子を真綿で首を
絞める様な方向に仕向け、和子に辞めざるを得ない状況に追い込まれ
退職しました。5年6ヶ月程のお勤めでした。


会社の中では和子の見方をして呉れる人も居て山口さんは必死に和子の事を
かばって呉れて・・・「秋ちゃんの様に追い込まれて辞めざるを得ない人達も
数人居る。この際社長に手紙を書いて秋ちゃんの胸の内を全て社長に
話しなさい」と社長の自宅の住所まで教えて呉れました。