和子のこぼれ話-19〜兄ちゃんの思い出-3〜

有る時、いろりの前で母に「カメラが欲しいんだけど〜買っても良い〜?って
母は「お前が炭焼きをして稼いだお金で買うんだから〜良いんじゃなの?
欲しかったら買えば〜?」って兄ちゃんは喜んで炭を売りに行って素敵な
カメラを買って来ました。当時兄ちゃんは車の免許を取る為に山から帰って
毎日彦根の自動車教習所へ・・・夜帰って来るのは11時・12時・・・
兄貴(長男)が結婚して同居し、和子達、親子は棟続きの6畳2間に内縁付きの
総2階の隠居を和子が5歳の時に建てて隠居で住んでました。
勿論、2階は物置で内装もして無いので隙間風が・・・
毎晩、教習場で遅く成る兄ちゃんは隠居の入り口の部屋の畳を2階に
持って上がり、天井が張って無いので、隙間に藁屑を詰めて風を凌ぎ
カーテンを付けて自分の部屋に・・・


折角素敵なカメラを買っても写真に収める物も無く、一人で2階の
自分の部屋で消防の半被を着たり、色んなポーズを取って自動シャッターで
自分を撮り、詰らなくなると・・・「かーこ兄ちゃんが良い所へ連れて
行って遣るから来い」と言って色んな所へ連れて行って呉れて和子はモデル
それでも、和子は嬉しくって・・・山の上の鉄塔までも・・・
有る時、カメラの仕組みを知らない和子は兄ちゃんが居ない隙にカメラの
フイルムを出す所を開けちゃって・・・パーに???
それでも兄ちゃんは怒らなかった・・・


森林公園で散歩を初めて7ヶ月、親しく会話をする程のお友達は居ませんが
何時も顔を合わせる散歩仲間で「おはよう〜」と声を交わすだけだけど
何と無く、何時もの仲間と逢うとホッとする。今日も遠くから姿を見て
お互いに手を上げて合ず「おはよう〜」って・・・