和子の生い立ち-89〜どっちにする〜?

夫の実家に行くと「最近隆義さんも体調を崩し、会社も碌に行って無いらしい
と言う噂を聞いたり、又一方よっちゃん(吉弘さん)は淵野辺に新しい
一軒屋を建てたと言う噂を・・・何でも久子さんの実家の土地とか?
夫と「お嫁さんの実家の傍で土地を貰ってか買ったのかは知らないけど〜
それじゃ久子さんに頭が上がらないね?」って負け惜しみを・・・
よっちゃんは義母の連れ子だから夫も良い事は絶対に言わない


和子も散々兄嫁に苛められて継母同然に辛い思いをして大きく成ったけど〜
まさに夫は小学6年生の時から継母に育てられて、まして「吉弘」と言う
子供まで居る。夫の継母苛めの苦しみは半端じゃ無い事は良く判るけど〜
たった一人母親と共に大勢の兄弟の中に来てよっちゃんはよっちゃん成りに
ご苦労が有っただろうと思いますが、多少なりともよっちゃんに同情すると
夫は怒る。又隆義さんも、実母の死は反抗期の一番難しい時だけに
夫以上の苦しみを経験したでしょう?


飲み屋の方の洋服や、デパートの洋服の修理をして居た恵子さんと知り合った
隆義さんは恵子さんと同棲を始め、めぐみちゃんを授かり籍を入れたとか?
何せ大酒飲みで、その上酒癖が悪く仕事も転々とし定職には中々
就かなかったとか?子育てをしながら、内職程度に仕立て物をして
生計を絶てて居たとか?その隆義さんも肝臓を悪くして寝込んで居るとか?


有る日曜日に散々「どっちにしようか?」って悩んだ挙句夫とよっちゃんの
お宅に新築祝いを届けに行った。淵野辺は未だ々田舎で田んぼの中の一軒屋
って感じでした。当時未だ横浜線は単線で真ん中に柱の有る古い車両が・・・
都会に憧れた和子は勿論、和子達には手の届かないマイホームだから羨ましいとも思わなかったです。