和子の生い立ち-61〜雅ちゃんへ〜

昨日は遠い東京までお邪魔し、色々とお世話に成り有難うございました。
この度、勇ちゃんのお陰で縁談も纏まりつつ有りますが、先日は
正木屋にまでお電話を頂き、色々とアドバイスを頂きましたが、
「末娘の和子を遠い東京へ遣りたくない」と散々父には反対をされましたが
お見合いの席でお兄さんも彼を見て「あの人なら大丈夫だろう?」と
賛成をして呉れて、父もやっと手放す決心をして呉れたのに、今更
勇ちゃんの顔に泥を塗るような事は出来ませんので、仮に私の将来にどんな
苦労が圧し掛かろうと、私は勇ちゃんや雅ちゃんに迷惑を掛けないように
頑張る所存で、父には今回の件は話さず縁談を進めて頂きます。 和子
とお手紙を書いて送りました。