和子の生い立ち-39〜嫁・姑〜

山中家の親奥さまは42歳で未亡人に成って3男3女の子供と
静岡のお店を守って来たと言う経歴が有って日々威張っちゃって
冬に成って雪が降ると寝室から一歩も出ないで3度食事を
運ばせて居たそうです。和子は未だ食事を運んだ経験は有りませんが・・・
「嫁・姑の争い」は世間では良く耳にしますが、此処の「嫁・姑の争い」も
凄かったです。とは言っても若奥様は立ち向かっては行きませんから
嫁・姑の争いとは言えませんが、親奥さまの嫁いびりは凄かったです。
若奥様の実家は長浜の農家のお宅から嫁いで来、偶に長浜の実家に帰ると
親奥さまは台所をかき混ぜて悪口を言い始める。
又旦那さまが静岡のお店に1週間ほど出掛けて留守にすると嫁姑の喧嘩!
又一寸でも反発するとむくれて自室から出て来ないでブツブツ一人事を?
旦那さまがお店から帰って来ると当然の如く若奥様は愚痴を零しますが、
幼くして父を亡くし母の手一つで育てられた旦那様は、若奥様の味方は
されないそうです。「もうお袋も長く無いから我慢して遣って呉れよ〜?」って
何時、零しても何度零しても旦那様は「可哀そうに〜お袋に良く話して
置くから・・・」とは微塵も言わないそうです。
有る時、若奥様は和子に「一ヶ月でも良い・10日でも良い・一週間でも
3日でも良いから〜狭い6畳一間のアパートで良いから、のんびりとした
生活がして見たい・・・」と