和子の生い立ち-18〜サイジング〜

準備工場の中には横巻・荒巻・サイジング・とその他諸々・・・
横巻へ配属されて何ヶ月が過ぎたかな?3ヶ月?半年?1年?
又々今度は係長から「甲斐さんと小林さんと2人どっちでも
良いからサイジングに行って下さい」と言われ・・・
このサイジングは縦糸に糊を付ける工程で西工場に1台
東工場に1台、僅か2台しか無く3部制で24時間稼働して居ます。
勿論、女性は男性の補助で夜勤は遣りません。
このサイジングで働くと3部制だから食事の休憩は無く5.00〜13.00
13.00〜21.00・21.00〜5.00と言う時間割です。休憩が無いので
食事は交代で・・・甲斐さんは「男性と仕事をするのは嫌だ」と
断り、和子がサイジングへ・・・

このサイジングには男性が6人・女性がA番1人・B番1人の8人で
昼間は男性と女性・夜勤は男性2人
藤堂さん・野村さん・近藤さん・宿谷さん・川口さん・中川さん
藤堂さんと野村さんと中川さんは独身で中川さんは34歳のオジサンで
みんなから「早く結婚したら〜?」ってからかわれて居ました。
後の3人は所帯持ちのオジサンで、特に川口さんは和子を取っても
可愛がって呉れました。「コンニャクの炊き方を知っとるか?コンニャクは
最初にカラ炊きと言って水を入れないで炊くんだよ〜?」って
教えて呉れたり・・・川口さんが夜勤明けで和子が早出で職場に行くと
「和子に此れ置いといて遣ったよ〜」ってお菓子を呉れたり・・・
お父ちゃんの様で、良く「お父ちゃん・和子・・・」って
サイジングのオジサン連中も「和子・和子・・・」って呼んで呉れて
楽しかったです。
又食事も休憩時間が無いから機械が動いている間に交代で・・・
「此れ上がる迄1時間掛かるから其れまで休んでて良いよ〜?」って
言って呉れたり・・・

愛知川の河原で夏に成ると花火大会が有り、大勢の観客で賑わいます。
寮生活をしている和子達は門限が9時で其れまでに帰って来なければいけない
毎年、美代ちゃんや中林和美ちゃんと野村さんに連れて行って貰った事も・・・