《新屋の甥っ子・隆は?-1》
隆は小さい頃から人懐っこい子供で、和子が土曜日の午後から月曜日の
午前中に会社に帰れば良いから月に一度は2泊、泊まりで実家に帰って来ると
兄ちゃんは、「土曜日の夜は家でご飯を食べる様に・・・」と呼んで呉れるので
何時も夕飯を食べに新屋に行くと隆は喜んで「かーこちゃん・かーこちゃん・・・」
と色んなおもちゃを見せて呉れたり・・・未だ片言で話す会話も
おぼつかないのに~話しをして呉れたり・・・やっぱり可愛い甥っ子でした。
そんな隆も、高校を卒業し、彦根の車の修理工場に勤めて頑張って居ました。
此処の工場では、社長の娘さんが2人の男の子を連れてご主人と離婚して
実家に帰り、会社の事務を手伝って居たそうです。
この娘さんは隆より2~3才年上だったそうです。隆がこの会社に入社して
数年経った頃から、隆はこの彼女との恋が芽生えて兄ちゃんの心配の種が・・・
隆は兄ちゃんの長男で素直な性格で自慢の息子で、人並みに相応しい
娘さんと結婚させて、可愛い孫の授かるのを夢見て大事に育てたのに・・・
事も有ろうに年上の子持ちのオバサンに恋い焦がれて・・・兄ちゃん夫婦が
猛反対をしても、諦めて呉れる気配は無く・・・
度々・・・兄ちゃんは和子の所に電話をして来ては愚痴ばなし・・・
兄ちゃんは若い時に、昔、昔の事で隣の村の亜紀ちゃんと恋仲に成って
彼女は眼の下に傷が有って「手放しアカンベーしとる」とカラカワレ
父が「亜紀ちゃんとは別れろ・・・」と散々苦しんで居たのを子供心に
覚えて居ますが、兄ちゃんも次第仕送り・・・父を散々泣かせて来た
しっぺ返し・・・と和子は思い、苦しんで居る兄ちゃんに・・・
「兄ちゃんも散々おとったんを泣かせて来たジャン」とは言えなかったけど
言って上げたい心境でした。((^▽^笑) )
兄妹が多いと其れなりに色々有りますね?
【良い医者を 待合室で 教えられ(シルバー川柳)】