初ちゃんは、右手に障害を持ちながらも、取っても明るい人で頑張り屋さんでした。
当時は、和子の兄やんや姉やんは会社勤めをして其々社員寮に入って
家に居なかった様ですが、本家は田畑も多く、初ちゃんは、田んぼや畑で、
仕事をして外で働く事は無かった様な???
和子の生まれ育った実家は、山奥で20軒程の小さな部落でした。
そんな小さな部落の中で、有る奥様の居る男性と、恋仲に成って・・・
赤ちゃんを身ごもり・・・当時は終戦に成ったか未だなのか???の頃で未だ々
戦争に男性を取られて「産めよ増やせよ~」の時代で
堕胎何て飛んでも無い時でした。この初ちゃんのお相手の男性は兵衛(仮)さんと
言う方で奥様も身重でした。
結局年を明けて、初ちゃんは産気付き、当時はお産婆さんが自宅に来て
産湯のお湯を沸かして赤ちゃんの出て来るのを待って居ましたが、陣痛が長く
中々赤ちゃんは出て来ない時に・・・田舎は~世間の噂が激しいから・・・
お産婆さんも、初ちゃんの不倫相手も良くご存知で・・・お産婆さんが
「この子はお父さんが此処に居ないから出て来ないんだよ~誰か兵衛さんを
呼んで来なよ~兵衛さんが来たら直ぐ生まれるから・・・」と???
チョッと有り得ないと言うか~考えられない言葉が飛び交い、兵部さんを
呼んで来たら可愛い男の子が直ぐに生まれたとか???
この時に初ちゃんは兵衛さんに認知をして貰ったそうですが、どうしても
初ちゃんは「自分の姓にする」と言って聞かなかったそうですが、和子の父が
「絶対に初ちゃんの姓にしちゃダメだ~兵衛の姓にして置け~」と頑なに
初ちゃんの姓にする事は許さなかった様で、小学6年生まで父親の姓で
本家で大きく成りました。
初ちゃんのお兄さん、元さんもその後に結婚して1女2男の父親に成り、初ちゃんの
息子(博已)も元さんはオジサンだけど元さんを「お父ちゃん」と呼び
初ちゃんを「お母ちゃん」と呼んで、又元さんの子供も、実の両親を「お父ちゃん・
お母ちゃん」と呼び博已の事を「兄ちゃん」と呼んで子供の頃は4人兄妹と
思って大きく成りました。 続き・・・