母の病院から自宅に帰るとあにやんは葬式の準備だとか言ってお庭の
草むしりをして居ました。兄やんは長男で「横に倒れた杖も起こさない」と
言う程、何もしない兄やんだけど・・・「おかさん(母)が死なるとたちまち
葬式を出さないと・・・」と言って、シトシトと雨の降る中で草むしりを・・・
夜に成って兄妹会議が・・・
5人の兄妹が5人とも一日でも母に長生きして貰いたいと言う気持ちは変わらず・・・
このまま手術をしないで命の有る限り・・・?
万が一手術をして1日でも長生きするのなら手術をするか???
手術をしたお陰で手術に耐えられなくて、そのまま亡くなる事も?
このまま手術しないで命ある限り・・・を選んでも~
「あの時に手術をして、貰えば未だ命有ったかも???」と
後悔するのも嫌だし・・・散々5人で悩みましたが結果は出ず・・・兄やんが・・・
「俺の判断に任せて貰え無いだろうか?」と言い出し・・・やっぱり兄やんは
跡取だし・・・「では~兄やんに任せよう~」と言う結論に成った・・・
兄妹5人の中で難病を患い手術を受けた経験の有るのは、和子と兄やんの盲腸だけで
後の3人は手術の経験は有りませんでした。
兄やんの決断とは、自分で盲腸を手術して下さった先生を深く信頼し・・・
その病院に聞きに行くと言う・・・手術の経験の無い者の浅はかな決断
和子は「幾ら兄やんが、盲腸の手術をして助けて貰った先生でも・・・
その様な病院に聞きに行って何も分からない先生が、決断を下して呉れるだろうか?
今のおかちゃん(母)のカルテを借りて行って聞けば、答えは出るかも知れない
けど・・・今のおかちゃん(母)のカルテを病院は絶対に貸して呉れないし・・・
パパの盲腸の時は腹膜を手術して完全に治してから盲腸の手術をしたから
おかちゃんも、若しかしたら2度手術をする事に成るかも???
そんな事を考えただけでも80歳の高齢では???と悩むしか無かった~
其れでも兄やんは「盲腸の手術をして助けて貰った先生の所に聞きに行く」と・・・
結局、雨の降り仕切る中を兄ちゃんと兄やんと和子と3人で・・・