和子の彼とお友達-2

四国から大阪に出て来て床屋さんに勤めて居る彼と、結婚を前提に

お付き合いをしましたが、今から約50年程昔、年老いた両親は素性の

分からない人とは絶対に許して貰えず、頑固に猛反対をされました。

其れでも、和子は子供の頃から難病を患い、出来たら都会に嫁ぎたいと言う

願望が強く、彼を諦められませんでした。

 

そんな時、山中さんのお宅にお手伝いに行くように勧めて呉れたオバサンは

母とは「叔母と姪」の間柄でしたが、取っても仲良しで・・・きっと母は

オバサンに、和子と彼とのお付き合いを零したんだと思う

オバサンは母と年齢の差は余り有りませんが、学校の先生をして居た方だけに

心が広く・・・和子に「お母さんが心配をして居るから私が四国まで行って

調べて来て・・・和子がそんなに彼と結婚したいので有ればお父さんを説得して

上げるからお手伝いさんに行きなさい」と言われて一年と言う約束で

山中さんのお宅へ行儀見習いに・・・

 

学校を卒業をして6年も親元を離れて寮生活をして伸び々して居た和子には

山中さんのお宅でのお手伝いは其れは厳しかったです。

今から思えば50年昔ですが・・・山中さんのお宅の風習は60年も65年も

昔の風習で若奥様が「6畳一間でも良いから伸び々とした生活がしたい」と言う

心境、和子には・・・気の毒な若奥様・・・でしたね?

 

【目には蚊を 耳には蝉を 飼っている(シルバー川柳)】