和子の彼とお友達-1

和子は山中さんのお宅に来る前は工場女工として織物工場に就職をして

800人からの従業員の居る会社に入社して2部制の仕事で社員寮で6年

生活しました。皆さん寮生は恋人が居てお休みに成ると色んな所に行って楽しんで

居る様でしたが、和子はお友達の紹介で一日3時間程ドレメ式の洋裁を

習いに行って毎日洋裁学校に通って居て彼氏が出来よう筈が有りませんでした。

 

所が有る雑誌で「文通欄」を見つけて応募をして文通を始めました。

其れでお友達に成った彼(笑)

和子は幼い頃から「カリエス」と言う難病を患い・義務教育も満足に行けない程

お医者さん通い・病院の入退院を繰り返し、田舎で田んぼや畑をするのは大の

苦手で・・・文通で知り合った彼は四国の生まれで4人兄弟の3男坊で

大阪に出て床屋さんに勤めて居ました。

床屋さんは日曜日もお仕事で火曜日がお休み・・・一寸デートは休みが合わなくて難しかったです。そんな訳で一般の床屋さんは辞めて新聞屋さんのビルの中で日曜日のお休みのお店に転職して呉れて・・・良く京都の中央出口の公衆電話の前で待ち合わせ

デートをしたり・・・会社の近くまで逢いに来て呉れたり・・・して

2年半ほど結婚を前提にお付き合いをしました。

 

 

「いらっしゃい」 孫を迎えて 去る論吉(シルバー川柳)】