和子の病室は六人部屋で和子は窓際のベットでお天気の良い日は青空が見えて
十四日間の闘病生活にはささやかな救いでした.。
術後四日目から三度食事が出るのですが、仰向きに寝たきりで
絶対に身動きは出来ず、家政婦さん(今で言うヘルパーさん)が
和子の枕元に食事の乗ったお盆を置いて行って呉れるのですが、横目で見るだけじゃ
手の付けようが無いです。今の様に立派なリグラインのベットじゃ無く
只の真っ平らなベットで頭を上げる事も出来ず、顔の横に置いて有る食事を
探りながら・・・(涙・・・)義母が毎日洗濯物を届けて呉れるのですが、
二月の寒い時期、和子の夕食の出る時間まで居て呉れて、せめて夕食くらい食べさせて呉れても良さそうだけど・・・食事の出る前に「和子さん誠君が待ってるから
帰るね?」って帰っちゃう・・・(涙・・・)
この時に和子の担当の家政婦さんは南波さんと白鳥さんと二人で、赤十字病院は看護学校の生徒さんが実習に見えてて・・・白鳥さんは取っても優しい方で
「もう少し、したら食事食べさせて上げるから待っててね?」ってお声を掛けて呉れて何時も食べさせて下さいました。所が南波さんは「貴女だけが患者さんじゃ無いから自分で食べなさい」と言って枕元にポンと置いて行く。
確かに和子だけが患者さんじゃ無いから・・・ご尤もだけど身動きの出来ない患者に
向かって言う言葉???和子はこの言葉にプチ、切れしたね?
勿論配膳もして呉れない?偶に見える看護学生さんにお願いして配膳を
お願いしたり・・・
【改札を 通れず良く見りゃ 診察縁】