和子の生い立ち-117〜薄情なお姑さん〜

お姑さんは、毎日洗濯物を取りに来て呉れますが、丁度お昼ご飯の
終わった後に来て、夕飯が来る前に「和子さん、寒いから帰るね?」って
帰ってしまう。大病で「横浜の赤十字病院泌尿器科で2番目に重大な
手術だった」と石塚先生は言い、毎日回診の他に藤井先生と2人で
2〜3度は病室に診に来て呉れる。同室の他のベットの患者さんが羨ましがる程
そんな大変な大手術に耐えて、又寝たきりで身動きも出来ない、日夜天井と
睨めっこをし後10日・後9日・8日と苦しみに耐えて居るのにお姑さんからは
温かい言葉も掛けて呉れない。おまけに「和子さんは、お姉さんも
みっちゃんも利子ちゃんも何でも無いのに〜どうしてそんな病気に
成ったんだろうね?」って・・・「知らな〜い?」とその場は誤魔化しましたが
(和子だって好きで病気に成ったんじゃ無い?)と思い怒りが込み上げ
悔しかったです。又風の便りに聞くと、夫の兄妹に「和子さんの所へ
お見舞いに行かなくても良い」と言ったとか?

和子は幼い時からカリエスで苦しみ、何度も入院生活をしましたが、
弱者は「お見舞い品」を待って居るのでは無い。「如何ですか?」って
病室の戸を叩いて呉れる事こそ、最高の喜びです。
大した病気をしないお姑さんには、この喜びを知らない気の毒な方です。
和子はこの17日間(大事を取って3日延長)のベットに釘付けの闘病生活の
日々には何度、枕を濡らした事か?辛い々17日間でした。
この時こそ、他人の心の温かい人、薄情な人の人情味を思い知らされ
和子は、何時も心温まる行動を取りたいと思いました。