天羽のおばあちゃん・・・そのー3

天羽のおばあちゃんのお宅に伺うと、先ずはお風呂にお湯を張りお掃除をして

夕飯の支度をして(大したお料理じゃ無いけど~眼が殆ど見えないから1枚の

お皿に数種類のおかずを乗せての夕飯)入浴介助・・・全部衣類を脱いで

洗濯機を廻しながら入浴・・・半身不随だからお風呂の湯船の中に椅子を沈めて

湯船の淵に25cm位の幅の板を渡して・・・湯船の淵に座って貰い、和子に

掴まって貰って静かに足を湯船の中に・・・

湯船に足を突いたらお風呂の中の椅子に座って

貰い温まる。ゆっくりお湯に浸かって温まりながら2人でお話し・・・

和子のお休みの日は娘さんが見えて入浴介助をして呉れるそうですが・・・

やっぱり親子だから・・・色々とお互いに文句が出るから・・・

「娘にお風呂に入れて貰うより貴女の方が良いわ・・・」って

 

暫く訪問して天羽のお婆ちゃんにすっかり気に入られちゃって・・・

「貴女に聞いて欲しい事が有る」と言って・・・

「これは誰にも話して無いよ~息子にも娘にも・・・貴女に初めて話すんだよ~」

と言って天羽のおばあちゃんの胸の内を・・・((^▽^笑) )

【化粧する 昔ばなしも 化粧する(シルバー川柳)】

天羽のおばあちゃん・・・そのー2

帆掛け船・・・

   風に吹かれつ    流されつ

 波にもまれつ   たへ 乍ら

 帆かけ人生     今日迄生きた

 いや・・・・・  生かされた

 それ故生きる  明日も生きる 夢追い乍ら

 

 

天羽のおばあちゃんは、詩や俳句が好きで、お医者さんから頂いたお薬の袋に

マジックペンでトイレに入ると殆ど見えない眼で詩や俳句を作って

居たそうです。お風呂に入って洗濯機を廻しお掃除をして夕飯の支度をして

食べて頂き、帰って来るのですが、最初から和子に優しくして下さって

「もう少し貴女の気心が分かったら私の胸の内を聞いて貰うから・・・」と

良く言われました。天羽のおばあちゃんは、その当時胆管に癌が

出来ていた様ですが、80歳を過ぎた老人で進行が遅く取っても元気でした。

帰る時には必ず、台所の物や諸々・・・移動した物は全て元に返し・・・

しっかりと確認をして退席する。「又来るね?」と言うと・・・

「はいよ~~~待ってるからね・・・」と言葉を交わし・・・

  【老妻が ホームで宣言 主婦卒業(シルバー川柳)】

 

天羽のおばあちゃん・・・そのー1

この利用者さんは若い頃から、殆ど全盲に近い方でご主人も眼の不自由な方で

若い頃は自宅の一階でマッサージ師を営んで居られた様です。80歳の時に

脳梗塞を患い右半身不随で、このお宅に週に2日程お世話に行って2時間半で

掃除洗濯・食事の支度にお買い物・入浴介助と・・・又偶には車いすで通院介助と・・・おばあちゃんのお住まいは3階建てのお宅で一階は、もうお店も閉めて

物置に・・・2階におばあちゃんのお部屋と若夫婦のリビングが有って3階が

若夫婦のお住まいで息子さんは自宅から5~6分の所でマッサージを営んで

居られました。若い頃からの全盲ですが、取っても明るいおばあちゃんで

和子が伺うと取っても喜んで呉れて・・・

 

又取っても前向きな方で「歩かないと筋肉が落ちるから・・・」と2階から

リフトで手探りで降りて介護用の乳母車を引いて30m程の路地を良く

散歩をされて居ました。只、ヘルパーとして、このおばあちゃんのお世話を

するには「全ての物を動かしたら絶対に有った所に返す」と言う鉄則が有ります。

和子が帰った後、おばあちゃんが物を取るのに不都合をしない様に・・・

和子の在宅介護をした中でも一番印象深い忘れられない

天羽のおばあちゃんでした。

【人恋し 恋とは違う 人恋し(シルバー川柳)】

 

 

嫁いびり・・・

 訪問介護を始めて、先輩の男性ヘルパーさんと有る、利用さんのお宅に

同行訪問をしました。此処のお宅は82~3歳のお婆ちゃんで40代の頃から

難病で殆どベットの上でテレビを見てトイレにも杖を突いて・・・

病院に行く時には車いすで同行診療でした。家には息子さんご夫婦が2階で

お住まいでお風呂、台所は親子で共同でした。初めて伺った時に先輩ヘルパーさんに

お嫁さんの悪口を・・・最も息子さんはお仕事に行き、お嫁さんは2階で

お姑さんのお世話は一切せずに殆ど顔も見せない?利用者さんは、略

一人暮らし同然だから、零したい気持ちは分かるけど

(其処まで言わなくても~?)と思う程でした。このお宅は生活援助で

昼食の支度をして食べて頂き、後はお部屋のお掃除でした。ある日訪問すると

利用者さんのテーブルの上に生ごみがビニールの袋に入れて置いて有りました。

和子は、利用者さんに「これどうしたの?」って伺うと・・・

和子がきのう、捨てるのを忘れて帰ったそうです。台所に行くと

「此処にはお姑さんのゴミは捨てないで下さい」と貼り紙が???

醜い「嫁・姑の争い」ですね?

和子にも2人の息子が居て其々に結婚して居ますが、2人のお嫁さんを

自分の娘と思い接して、今の所は良き家族に・・・((^▽^笑) )

 【残るのも 先に逝くのも 嫌と言う(シルバー川柳)】

 

今は無き、コムスンへ・・・

ハローワークの求人でコムスンの面接を受けて無事に採用されて・・・

今度はしっかりと仕事を与えて貰い、最初は若い先輩に同行してして貰い

一日に4軒位、生活援助のお仕事で・・・お昼の食事の支度とお掃除から

始まり徐々にオムツ交換・トイレ介助・入浴介助と・・・

若い同行の先輩は取っても親切で「最初は何もしなくて良いからしっかり見て

覚えてね?」と言って優しいヘルパーさんでした。

 

所が2度目からは一人で利用者さんのお宅に伺ってお世話をするのですが、

認知の掛かった利用者さんは、慣れない和子の介護を嫌がって血圧も満足に

計らせて呉れ無いし・・・ポータブルトイレに座って貰おうと思い起こそうと

身体に触れると「痛い~痛い・・・」と大騒ぎをされたり~短い時間でのお仕事だからガスでお粥を湯煎して居ると「煩い・・・」って怒鳴るし・・・

(別に生活が掛かってる訳じゃ無いし・・・辞めちゃおうか~)って

何度も思いました。有る時、お友達に愚痴を零すと・・・

「折角資格も取ったり・・・3ヶ月頑張って見れば?」って背中を押されて

頑張りました。

【すらすらと 嘘が言えます ボケてない(シルバー川柳)】

 

あなたは新人さんだから・・・

やっと3ヶ月ヘルパーの教室に通って2級の資格を取って

早速仕事探し・・・今迄会社に通勤をして毎日7.30分働いて

来たのでやっぱり通勤を希望し、施設を優先に探しましたが、施設は夜勤が有り、

定年を迎えて夫の寝ている夜に働き、夫と逆の生活は夫も反対すると思うし、

和子も夜勤は望まず・・・只訪問介護はバイク移動で、此れも悩みましたが、

結局週に4日の訪問介護を希望し、関内の某事業所に面接に行きました。

その場で即、受理して頂き事務の方から・・・「じゃ~お仕事が有ったら連絡します」

と言う返事を頂き、帰って来ました。今思えば「じゃ~明日から00時から一時間

生活援助でAさんのお宅に先輩のBさんの同行で伺いますから遅れないように

事務所に来て下さい」って言われるのが普通ですが、介護の仕事は初めてで

何も分からず、事業所から帰って来ましたが・・・

 

3日経っても5日経っても、一週間が過ぎても電話一本有りませんでした。

10日程過ぎて、流石の和子も限界を感じて事業所に電話をしましたが、

要領が得なく、本部に電話をして、事情を説明したら

「人手不足で採用した筈だから・・・事業所の方へ連絡して所長から

電話を入れさせます。誠に申し訳有りませんでした。」と言われ

直ぐに関内の所長から電話が有って、「あなたは未だ新人だから・・・」と言われ、

和子の頭の中は真っ白に・・・

 

誰でも、何でも初心が有る筈、今現役で働いているヘルパーさんだって和子の様に初心が有った筈、それを「あなたは未だ新人だから・・・」と

言って仕事を与えないので有れば、採用するなよ~って言いたい心境でした。  

 

【口づけも 入歯ガクガク 老いの恋(シルバー川柳)】

あなたはお友達じゃ無いから~

 

ヘルパー養成学校の研修で18日間、横浜の某老人施設に研修に行きました。

研修と言う名目で職場に入るのは初めてですが、和子も子育てを終わって

パートで色んな職場に採用されて入社しましたが、新入生が新しい職場に

就いた時は研修生で有ろうとパート社員で有ろうと先輩の方は温かく受け入れ

親切丁寧に指導して呉れるのが常識だと思って居ましたし、又新入生も仮に

研修生で18日とは言え、先輩に出来るだけ早く馴染、先輩の指示に従うものだと思って居ました。所が・・・

 

この施設のある女性は週に3日ばかり短時間の勤務でパートに来て居る方の様でした。

施設は団体生活だから、同僚もお仕事を休んで旅行に行ったり諸々の

用事で里帰りをしたりする方も居ます。そんな先輩たちがお土産にお菓子を買って来て

休憩室のテーブルに広げて「皆さんどうぞ食べて下さい」とメモして

置いて有ったり~先輩たちがお昼休みに休憩に来て雑談をして居ます。

中には和子にお声を掛けて来る先輩も・・・

そんな研修生の和子に「あなたはお友達じゃ無いから~皆さんの会話に

加わってはいけません。お菓子が出て居ても絶対に手を出しちゃいけません」と

忠告して来る。あなたが若し、和子の立場だったらどの様に感じますか?

 

  【あなたには 言えない遊び 軽い嘘(シルバー川柳)】